院長ブログ

2022年03月のブログ記事一覧Blog

新しい治療機器を導入!

2022.03.30

こんにちは、院長の筒井です。

今回は新しい治療機器を2つ導入したのでご紹介します。

一つ目は『コンビネーション刺激装置EU-910』!!!、、、名前だけではさっぱり分かりませんね。

超音波治療機

これは超音波と電気刺激を組み合わせて治療できる機器です。超音波のマッサージ効果に加え、電流で血行を促し、痛みを軽減させていく治療法です。

二つ目は『オステオトロンV』!!!、、、こちらは超音波骨折治療器になります。

LIPUS(Low Intensity Pulsed Ultra Sound:低出力パルス超音波)の音圧効果により、骨折部位の骨の形成を促進し、骨癒合期間を約40%短縮できます。靭帯損傷や捻挫、肉離れなどの急性期にもアイシングと併用し、患部の消炎・鎮痛・組織修復の促進が期待できます。また急性期でなくとも、腱鞘炎(ばね指)など慢性的な疾患にも治療効果が期待できます。

上記の2つの機器を使用、または理学療法士による運動療法と併用することで、より治療効果を向上させることが出来ます。今後の治療に活かしていこうと思います。

医療は常に進歩しており、医療機器なども様々開発されていっているため、日々新しい情報をアップデートし、当院に組み込んでいき、患者様に提供していけるように努力していきます。

困ったことがあればお気軽にご相談ください。

肩があがらない四十肩・五十肩に サイレントマニピュレーション

2022.03.26

こんにちは、院長の筒井です。

最近サイレントマニピュレーションの治療法を知って、当院を受診される方が少しずつ増えてきています。この治療法が患者様の悩みや苦しみを解決出来る良い治療法であるため、私も積極的に勧めている所です。五十肩(=四十肩)だからと諦めて、治療せずに放って置いている患者様の一助になればと思い、再度この治療法について詳しく書いてみようと思います。


サイレントマニピュレーションとは「非観血的肩関節授動術」のことです。『観血的』とはメスなどで皮膚を切るなどの出血を伴う処置のことであり、『非観血的』なのでそういった外科的処置はしませんという意味です。また『授動術』とは動かなくなったものを動きやすくすることを言います。簡単に言うと手術をせずに固まった肩の可動閾を良くする処置ということです。外来で出来るため入院がいりません。


まずは簡単に五十肩についてですが、五十肩は肩関節の最も内側の『関節包』と言われる袋の部分で炎症が起こることから始まります。(下記の図参照)

正常な肩関節

この炎症期は、肩が痛くて少し動かすだけでも激痛が走り、夜も寝られないような疼痛を引き起こすします。その炎症期が終わると、凍結期といわれる肩が硬くなる時期に移行し、この時期は痛みは落ち着くのですが、肩が上がらないといった可動閾制限が出現します。これは正常では伸び縮みする関節包が炎症によって硬くなってしまったためです。その後解凍期といわれる硬くなった関節包が緩んでくる時期に移行し、肩が元のように動かせるようになります。これが五十肩の経過になります。

この経過で早めに自然と治る方は良かったですむのですが、なかには治らない症例があります。いつまで経っても肩が上がらない、また治るにしても1年や2年とかかることもあります。そんな痛みや肩があがらないといった症状に対して行うのがサイレントマニピュレーションになります。

サイレントマニピュレーションは五十肩で硬くなった関節包を医師が徒手的に伸ばしながら切ることで可動閾を広げる方法です。以下その手順と治療の流れです。

①ブロック注射

硬まった肩を動かすので痛みが無いようにするのと、筋肉を緩ます目的で処置前にエコーを使用し、頸部の神経に麻酔を行います。約6~8時間程度、腕が動かせなくなります。

エコー下で頸部に麻酔

②サイレントマニピュレーション

麻酔が効いたのを確認後、固まった肩関節を動かしていき、縮んだ関節包を剥いでいきます。プチプチと音がしますが、麻酔がかかっているため痛みはありません。施行後は三角巾にて腕を吊り下げた状態で帰宅してもらいます。

サイレントマニピュレーション施行01

③翌日よりリハビリテーション施行

サイレントマニピュレーション処置後は、リハビリがとても重要であり、当院では理学療法士による運動器リハビリを行っています。それによって更に関節可動域の改善と再拘縮予防を行います。

治療費は医療保険が適応されて3割負担の方で約6000円程度(初・再診料、リハビリテーション料は別途)です。

以上が四十肩・五十肩とサイレントマニピュレーションの説明になります。

サイレントマニピュレーションは比較的新しい治療法の一つであり、以前は対応できなかった五十肩も改善できるようになってきています。また五十肩の治療もサイレントマニピュレーションが全てではないので、肩の症状で悩まれている方は近くの整形外科に相談されてはいかがでしょうか。ただし全ての整形外科クリニックでこの処置を行っているわけではありませんのでご了承ください。

当院にもお気軽にご相談ください。

謎多き腰部痛 仙腸関節痛について リハビリ勉強会⑦

2022.03.11

こんにちは、院長の筒井です。

3月に入り少しずつ暖かい日も増えてきていて過ごしやすくなってきました。私は花粉症ではないので大丈夫ですが、花粉症のあるスタッフはきついようで目や鼻にきています。そんな姿をみているといつ自分も花粉症になるかもしれないと思い心配です。スタッフは漢方で対応しており、個人差はありますが小青竜湯が効くみたいですね。少しでも生活が楽になればと思います。

さて、この度は謎多き腰部痛の原因の一つである仙腸関節痛に対してリハビリ勉強会を行いました。

仙腸関節とは骨盤の関節で、仙骨と腸骨の間の関節になります。以前腰痛は8割程度が非特異性(原因がわからない)と言われていましたが、最近は研究なども進み腰痛に対して原因が解明されてきています。その中の原因の一つが仙腸関節痛です。

仙腸関節痛にも原因は多様ですが、多くは骨折や変形などの構造破綻ではなく、機能障害が原因と言われています。『仙腸関節に微小なずれが生じて機能障害が起こると、その周囲の組織、殊に後方の靭帯が過緊張になる。結果、靭帯やその周辺組織に分布する知覚神経終末や侵害受容器が刺激されて、疼痛が発生する』と考えられています。(「診断のつかない腰痛 仙腸関節の痛み」 より引用)

症状の多くは、腰部から殿部痛ですが、時にはふくらはぎや踵部なども仙腸関節障害が原因であることもあり、多彩な部位に症状が出現します。

その他特徴的な症状誘発動作としては

①仰臥位に寝ると痛い

②椅子に腰かける座位で痛い

③患側を下にした側臥位で痛い

などの症状があると仙腸関節痛を疑います。

診断はワンフィンガーテストといって痛い部分を人差し指で指さしてもらったときに上後腸骨棘という部分に指が向かうこと(下記の写真)、仙腸関節部にブロック注射したときに疼痛が軽快することなどで診断します。

レントゲンやMRIなどの画像検査では異常を示さないことから、見逃されることも多く、なかなか改善しないこともあります。もし同様の症状がある場合は近隣の整形外科でご相談してみてはいかがでしょうか?少しでも症状を改善させることが出来るかもしれません。